(CX5)
お判り頂けるだろうか。
これは登山者が残した足跡だ。
強風のため軽い雪は吹き飛び踏み固められた足跡だけが残っている。
つまりはますます風が強くなってきた。
尾根筋コースは立ってはいられないほどの強風で地面から引きはがされそうになる。
身の危険を強く感じ、登頂はやめようコールをH氏に申請。
H氏は、それならトラバースして山頂を目指そうと提案する。
強風の尾根筋を回避してトラバース開始。
ところがこのコース急斜面でアイスバーン。
しかも所々に岩が突出。
これは滑落したら数百メーターは転がり落ちて岩にヒットするパターン。
しかも尾根筋ほどじゃないけど強風には変わりない。
またもや私が登頂中止コールを発令。
つまりはここが本日最高高度、2360m。
山頂まで今少しだったのだが、行くも勇気!引き返すも勇気!だ。
後発のパーティーが登頂を試みるが、この後すぐ断念する。
三人しかいないのは一人はすぐに断念して下山したからだ。
とにかくピッケルを持って 山肌にかじりつかないと飛ばされるほどの強風だった。
「冬山スゲー」って思わず叫んでしまう。
いや、通常の音量じゃコミニュケーションが取れる状態じゃなかった。
独り言さえ強風に吹き飛ばされる、聞こえない、とにかく聞こえないんだ。
これは滑落≒死ゾーンに留まるH氏だ。
私がいる所は強風で吹き飛ばされ≒死ゾーン。
もとより危険な領域に突入すれば躊躇なく引き返す予定だったのでここで引き返すのは正解だ。
今回これで登頂完了したら次が無いし、新たな目標が出来て良かったと思っている。
言っておくけどこの高度まで来るとアイゼンがないと絶対無理だからね。
アイゼンが無いと絶対死ぬから。
逆に言い換えるとアイゼンって凄い普通行けない所まで行ける。
そして、この先の高度はピッケルも必要だと思った。
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