2016年3月24日木曜日

3/5 足尾の山その4


孤高のブナの木を目指して歩く。

そして風景に目を奪われる。

当然私は最後尾だ。

度々立ち止まるからだ。


雪山を背に笹原と白樺なんて美しすぎる。


暫く歩くとすぐに見えてくる孤高のブナの木。

去年は寒風と獄寒の地だった。

先を見れば風に吹かれればお陀仏のナイフリッジ。


去年は幸運な事に風が収まり先に行くことが出来た。

今年は雪山ではないしほぼ無風みたいなものだから楽勝だ。

とは言っても決して気が抜けるほど安全なルートではない。


中倉山と孤高のブナの木を越えたのだが今度は沢入山に向かう。

沢入山はこちらからは見えない。

遠くに見えるピークは名も無きピークだ。


尾根筋歩きは続く。

岩場も少なくない。

岩場は脆く浮石が積み重なっている。

何気なく岩に手をかけるとそれは浮石だ。

何十キロもある浮石が不安定に積まれている。

不用意に手をかけて引き寄せれば石が私に近づいてくる。

そして石と共に谷底に落ちていく未来が見えそうである。

なので体重が真下に来るまで慎重に体重移動する。

そうしないと落ちるからだ。
もちろん滑ってもいけない。

一つの過ちで簡単に命を落とす。

まあそんなルートでもある。

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